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執筆者の写真Hiroki Sato, MS, ATC, CR

体に影響を与えているモノ

更新日:2019年11月12日



先週末に、DAHでIMAC二回目のセミナーを行わせて頂きました。以前の様子はこんな感じでした。今回もリカバリールームをお借りして、二日間下肢からの繋がり、可動域が色々なものを表しているというのを実感して頂きました。


私がIMACと名前をつけて評価の方法を体系立てていこうとしているのは、今まで現場やセッションの際に見てきた「変化」を可動域を用いることで、客観的にみんなで共有できないかな、そしてそれを通してもっと体のことを学ぶことができないかな、という意図でやっています。筋膜だったり、エネルギーなどを扱いだすと、いわゆる世間一般で知られている体の変化では説明がつかない変化が起こったりするので、その変化がどのように肉体に影響を与えているのか知るための方法にならないかと考えています。


今回のセミナーでも、相手の体の状態を評価する、というところに共感してくれた参加者の方がいました。それもあってか、デモの時でも色々な「モノ」が体、可動域に影響を与えているのをみてもらえました。



例えば、左の背面の繋がり(経絡がわかる人は、膀胱経だと考えて下さい)の可動域制限。主な制限としては腸肋筋に関わる体幹の側屈と同側回旋の動きに制限がありました。デモでクライアント役の方が、ウィルスから守ってくれると言われているモノ(化学物質なのかな?)を首から下げていたので、それも関係しているかな?と思って外してもらうと、可動域制限が取れました。では、次に実際にその「モノ」が制限の原因なのかを確認する為に、首にかけずにただ体の上に置いてもらうと、制限はでませんでした。このモノ自体が影響している場合は、可動域制限がでるんですよ。

ん?ということは、このウィルスから守ってくれるモノではなく、首に何かがあるということが可動域制限の原因になっているかも知れないと考え、実際にウィルスから守ってくれるモノをとって、ストラップだけ首につけてもらうと、体幹の可動域制限が出ました。つまり、この方の場合は、「首に何かがある」という刺激によって、体幹背面の可動域制限につながっていたということになります。


では、体幹背面の可動域制限に対してアプローチするのと、首回りにアプローチするのと、どちらが体がやって欲しいことでしょうか?この際には、首周囲を見てみると、頚部伸展制限、胸頚移行部の制限、右肋骨1番、2番にも制限があったので、そこにアプローチしてあげると、首にストラップをかけても体幹の可動域制限はでなくなりました。もしかしたら、そのまま制限になっている体幹背面の可動域制限が取れたら、首の問題もなくなっていたかも知れないですけどね。ただ経験上、こうして二次的に起こっている可動域制限は代償でしかない時が多く、一次的な代償の原因になっている制限を取り除いていかないとすぐに戻ってしまう時が多いです。


また、他のデモの時では、数珠のブレスレットをしている方に行わせてもらいました。これも日本だとつけている人は多いですよね。するとその方の場合、ブレスレットをしている側の腕後ろ側の繋がりに関係する可動域に制限が出ていました。その可動域制限に関わる部位の制限を取り除いてあげると、ブレスレットをしていても可動域制限がなくなりました。


さて、ここでのポイントは何んでしょう?


その1:色々なモノが体の可動域に影響を与えている。

体が硬いというと、筋肉だけが考えられてストレッチしないと!と考える方もまだまだ多いですが、そもそもなんで硬いのか調べていかないと分からないよね、ということです。可動域は、実は様々なものとの関係性の中で決定されています。


その2:制限が取れた後は、もともと制限が出ていた原因だと考えらえるモノでも大丈夫になることが多い。

体は、色々なことに反応している訳ですが、モノと反応して変化する時に体に制限があるとそこが顕著に現れてくるのだと考えています。


その3:モノは同じ刺激しか与えられない。

その2のように、制限が取れて問題がなくなるのであれば、そのままつけていても大丈夫じゃん!と思われるかも知れないですが、モノはある一定の刺激を与え続けてくれます。つまり、はじめの5分だったり、2時間ぐらいまでは良い効果として体に影響を与えていたとしても、1週間、1ヶ月と同じ刺激がズッと入り続けてしまうというのが一番懸念するところです。ある程度まではバランスで足りなかった所が補強されていきバランスが取れるようになっていきますが、ある時点で今度はその刺激によりバランスが崩れる方向に向かってしまうことがある訳ですね。一瞬であれば微々たる影響のものであっても、それが長期化してくると、実際に体に影響を与えてきます。昔アメフトの現場に行っていた時に、選手の調子が悪いというのでみてみたら、パフォーマンスをあげるというブレスレットをしていて、その影響で体が傾いていました。それをとっただけで姿勢も変化し、かなり良い状態になったので、その後は残っていた部分にだけアプローチしてあげれば良かったということもありました。良かれと思ってつけていたブレスレットで体が歪んだ状態で、100キロ以上の重さでスクワットを何回も行なっていたら、確実に体は悪い方向に向かっていきますよね。


メガネ、マウスピース、足底板なども含め、なんでも良かれと思って使っているモノの影響が確実に体には出ているということですね。ここで大切なのは、体に何らかの影響を与えてくれるもの、もしくは変化を及ぼすものは、絶対的に良い訳でも悪い訳でもないということです。使い方次第です。私の大学院の先生は、いつも「It depends(場合による、一概には言えない)」と言っていました。私は、客観的にいつ、どれぐらいまで使えば良いかというのと、どういう反応が出ているのかというのを全身でみれるようになる術を提供したいと考えています。


私はこういったことが体への影響として出ることを知っているので、何かを選択する際に、良い面と悪い面を把握しつつ、これは使おうか、これは使わないでおこう、という感じで自分に必要あるもの、いらないものを選択していきます。体に対して闇雲にこうなっているはずだという推測と過去の経験からアプローチするのではなく、実際に目の前にいる人や今の自分がどういう状態なのか把握できるようになると、視野も広がり改善に向かう方法や選択肢も増えていき、より多くの人が自分で自分の状態をモニターしながら、健全の方向に向かって選択していくことができるようになってくれるのではないかと考えています。


#Blog #IMAC #ROM #可動域

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