先週までオステオパシーのクラスに通訳として参加していました。オステオパシーにも色々ありますが、今回のクラスはバイオメカニカル・アプローチという事で、基礎の基礎。確り解剖学から学び、アーティキュレーション、MET、HVLAと学んでいくクラスです。
今までアスレティックトレーニング、ロルフィング、MAT、ソースポイント、ボディートーク、今回のオステオパシーなど、様々なクラスやセミナーに参加してきましたが、それぞれ教え方、教わり方が違いますね。ざっくり分けちゃうと、頭で学ぶか身体で学ぶかでしょうか。
上記の私の例で言えば、アスレティックトレーニング、MAT、ボディートーク、オステオパシーは頭で学ぶ方です。アカデミックな要素が強く、情報を理解する事を求められ、左脳的。アスレティックトレーニングやオステオパシーは医療的な情報も多いので、所謂西洋医学の中で必要な情報・知識を叩き込んでいく必要があります。アメリカでアスレティックトレーナーになる過程で学んだ整形外科的テストや解剖・触診の知識は四肢に関しては抜群に良かったと今でも実感します。オステオパシーは、やはり頭蓋・脊柱・骨盤周囲の解剖・生理は細かく勉強できます。また、交感神経やバイオメカニクスから身体全体の繋がりを生理学的に見ていく内容も凄く勉強になります。もちろん手技の部分は身体で学ぶのですが、あくまで理論・原則が先な印象が強いです。
ロルフィングやソースポイントは全く逆で、知識や情報を叩き込むというよりは、身体で学んでいきます(もちろん、基礎的な知識は勉強しますが)。知識として理解するだけではなく、身体に落とし込んでいくプロセスが必要になります。このプロセスは、勉強したら理解できる、その場で理解できるという感じではないです。英語では施術をする事をpractice(プラクティス、練習)というように、反復して繰り返しやる事で理解が深まっていきます。このプロセスを体験していると、色々な事が頭では無く身体で分かるようになってきます。ロルフィングでは筋膜的な感覚や自分の身体と動きのアウェアネスを高めていきます。ソースポイントでは、エネルギーレベルの微細な変化を手で感じられるように訓練していきます。
こうやって二つを比べて行くと、オステオパシー的な治療とロルフィング的な身体を知るプロセスの違いも理解できますよね。ロルファーの人を見ていると、アカデミックな左脳的な知識が足りていないんだろうなぁ、と思う人がいます。オステオパスの人を見ていると、身体で感じるという事をしてきていないから、分からないんだろうなぁ、と思う人がいます。自分が全て分かっているとは決して思いませんが、少なくてもその二つの学び方を通じて身体を学んでこれたのは大きかったと思います。二つそれぞれの良い所も分かっているので、セッションやセミナーの時でも、できるだけ知識の部分は説明、そして身体でも体感してもらうという事を心がけています。何ごともバランスですね。