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執筆者の写真Hiroki Sato, MS, ATC, CR

バイオダイナミクス


バイオダイナミクス・オブ・オステオパシーのフェーズ6の通訳でオレゴン州のアッシュランドに来ています。ジム先生のクラスの通訳は久しぶりな感じですが、元気そうで安心しました。

振り返ってみると、今回までの間にバイオダイナミクス関係は今年の6月にトム先生、1月にグレッグ先生、昨年の12月にベロニク先生とフランソワ先生、11月にバークシャーのスタディーグループと、かなりの数をこなしています。これだけバイオダイナミクスに触れていると、専門用語にも慣れてきて、ある程度どんな感じなのかもわかってきます。通訳としての参加であって、実際に自分が参加している訳ではありませんが、それでも色々と自分の中での変化も感じられます。

バイオダイナミクスは発生のプロセスが起こる発達・成長の力(治癒力と同じ)にアプローチすることで治療を行っていく方法です。現象として起こっているプロセスに介入しないのですが、プロセスを理解し、その現象に対して付けられている用語と経験した感覚を対応させていくことで、学ぶ人たちが共通の言語で話をできるようになります。例えば、ゾーンB(フルーイドボディ)の状態を説明できたり、ロングタイドがやってきて治療が終わった、などという感じですね。また、どういった状態になっているのか把握することで、診断ができるようにもなります。これは医者としては大切なことです。

個人的な感覚としては、今年のトム先生のクラスの時に健全の感覚が明確になり、今回のクラスでは、それぞれのゾーンの感覚がより明確になりました。自分の中での感覚が何を感じているかが明確になると、何が起こっているかも分かるようになるので、このプロセスは大切です。また、ゾーンごとに起こる治癒の説明を聞いている中で自然界の治癒力と超自然界の治癒力の差も明確になり、やはりソースポイントがアクセスしているのは超自然界の治癒力なんだと納得しました。バイオダイナミクスとソースポイントには、やはり共通していることも凄く多いです。オステオパスの大先生達から学べることでソースポイントの理解が深まっていることは間違いありません。

ところで、バイオダイナミクスというかオステオパシーは、自然科学だと思います。往年のオステオパスの先生方が、人を観察し、病気や怪我を治療していくる中で得てきた、経験をもとにした英知です。それを伝えていっている伝統ですね。エソテリックな部分、スピリチュアルな要素、科学的に証明できないことも多いですが、実際に人の中でおきているプロセスを観察して得た知識であり、自分の中でも変化を感じられるものなので説得力があります。アメリカのオステオパスは医師でもあるので、基本的な病理学、薬学、解剖生理学の知識もあり、それと対応させた上での理解なので、より納得できます。発生学も普通の医師の人たちが学ぶよりも理解が深く、特に上記のようにバイオダイナミクスは直接発生の力にアプローチしていくのもあり、発生学的な理解も筋が通っています。例えば、今日行った四肢のアプローチは、発生学的にC7の位置から腕が伸びて来て最終的に手になるという原則から中指からC7の繋がりを使ってアプローチしていきました。デルマトームでも中指はC7ですよね!


ちなみに、ロルフィングのエドも腕のラインは中指から腕の中心を通って肩まで繋がっていると言っていて、ソースポイントのスティックフィギュアでは、体の骨格の指標になっているエネルギー構造とポイントにアプローチしていきます。オステオパシーではフォルクラル(支点)、ソースポイントだとポイント(点)と呼んでいますが、基本的にこれらで見ているものは同じものだと私は感じています。


バイオダイナミクスの決定的に違うところは、意識が「全体」にあるというところでしょう。触っているところだけを知覚するのでなく、全体に意識があると、色々なことがピックアップできます。頭で理解してこうして書くのは簡単ですが、プロセスにとらわれないで全体を観察するのは実際にやろうと思うと難しいですけどね。ただ、今回は少しずつでも自分の中で成長しているのを感じられたのと、新しい感覚と明確になった部分が多かったので嬉しい経験となりました。

色々なことの理解が深まり、色々なことの繋がりも分かってくると楽しいですね!

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