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執筆者の写真Hiroki Sato, MS, ATC, CR

IMAC体幹・統合編2


11月最後の週末にIMAC体幹編を行なっていました!体幹編は二度目です。1度目のブログはこちら。どんなクラスになるのか、私自身がとても楽しみにしていました。

満員御礼。イントロ、下肢、上肢、脊柱と履修した人達12人が日本中から集まり、三日間かけて体幹部、頭頸部を学んだ後に体全体を繋げていきました。


そもそも、私がIMACのセオリーに至るきっかけになったのはバレル・インスティチュートの内臓マニピュレーションのクラスの時でした。内臓周囲の筋膜制限がいかに筋骨格系の働きに影響が与えているかということをたまたま発見し、それからMATの可動域検査法と合わせて臨床経験を積んできました。オステオパシーの内臓マニピュレーションでは、どこの内臓に問題があるかは傾聴(リスニングという筋膜の抵抗によって手がひかれる方向を触診する)に頼る部分が多く、経験と共に分かるようになるものの、筋骨格系の動きとの関係性については詳しく知られていません。それが、臨床の中で体幹の動きと腸の状態に関係があったり、肝臓の機能と体幹の回旋と関係があるというのを何回もみるようになり、そうなってくると逆に「可動域からどの内臓やどこのエリアに問題があるのか特定できるよね」ということで、それをまとめていったのがIMACです。このエリアというのは体幹、内臓だけでなく、四肢にも当てはまるので、可動域とテストを通してどこに構造的に制限があるか判別できるシステムになっています。


今回の体幹編は、エクササイズ関係者、アスレティックトレーナー、治療家の中でも色々と勉強してきているレベルの高い参加者の人も多かったのですが、体幹筋群の働きを見ていった時に内臓の与えている影響を実感してもらうことができました。考えてみれば当たり前なんですが、いわゆる体幹、コアの腹腔内は臓器で満たされているので、そこの動きやモビリティに制限があると、いくら外側の容器である筋群にアプローチしたところで根本の部分は変わらない訳です。逆に、腸に問題があるのが可動域・筋テスト・触診などでわかり、それが腹部の筋肉の働きに影響を与えて動きのエラーが出ているのであれば、食事を変えたりするなどして腸内環境を整えていき、手技で制限をとっていけば、いくら腹筋やコアエクササイズをしても良くならなかった代償パターンや動きが良くなっていく訳ですね。実際に、クラスの中でも、今までできなかったエクササイズができるようになりました!という声もありました。


二日目の夜は懇親会!二日酔いになるぐらい飲んでいた人もいました。そこで、三日目の朝は実験で前日のアルコールによる影響がどの程度筋群と可動域に出ているか確認してみると、かなり制限(神経的なものでしょう)が出ている人が多かったです。それに対してアプローチし、可動域を含めてコンディションが良くなると、不思議と二日酔いのだるさもスッキリしたそうです。受けた本人達がその効果に一番ビックリしていました。神経的なバランスが整った、臓器周囲に刺激が入った、体液循環を促したなど、生理的な理由は分からない部分が多いですが、一人や二人ではなく、多数の方がそういった経験をしていました。つまり、筋骨格系、可動域などのコンディションと食生活などが密接に関係しているということですし、IMACの方法を通してそれを評価でき、制限がある時にはそれを改善できるということですね。

頭頸部では、首の前、舌骨周辺の筋群の働きと喉や内臓のスペースとの関係が新鮮だった方が多かったです。舌骨下筋が頸部屈曲に与えている影響の大きさは頚椎からの距離が離れているメカニカル・アドバンテージを考えてみれば分かるのですが、頚部動作の主要筋群として扱われる筋肉群でもないので、見落とされがちですね。気管支や食道を通して胸腔にも確実に影響を与えているので、そこの関係性も今後もう少し詳しく調べていきたいですね。舌骨上筋の機能も、もう一度考え直さないといけないな、と自分の中でも宿題ができました。咀嚼筋群と合わせて、考察が必要です。


もう一つ体幹編に至るまでのプロセスで私も驚いたのが、皆さんの姿勢の変化と体感覚の向上でした。体の各可動域の制限、筋膜の制限部分をとり、各関節での動きを的確に分化していくことで、イントロの前とは別人のようになっている方も数人いました。ロルフィングと似ているプロセスでとても面白いです。これは、IMACでのアプローチが一時的ではなく、長期的な変化を促すということですね。今まで動いていなくて意識できなかった部分を感じることで体感覚が変化すると、体のボディーマップが変化します。その変化は半永久的に続くことは経験上理解できますが、思っていた以上の変化がありました。体の感覚が良くなり、働いている部分が増えてくると、体もリラックスしてきます。すると触診の感覚も敏感になってくるんですね。イントロの時とは別人のように触っている人たちが何人もいて、なかなかレベルの高い手技のクラスだな、と自画自賛していました(笑)。セミナーに参加して、実際に体の状態が良くなるというのは、そのセミナー内容そのものの効果を表しているので、とても嬉しいです。


最後は、下肢、上肢と体幹を繋いで考えて行くプロセスに時間をさいていきました。例えば、股関節の内旋制限があった時に、それは体幹の同側回旋筋群に問題がある可能性がありまます。体幹からの制限の場合、腹横筋などをみるのか?腸肋筋などをみるのか?それとも、実際に股関節なのか?また、それぞれの部位のどこにより制限があるか確認するためにはどういう可動域やテストをする必要があるのか?今まで学んだ情報を全て統合させていき、体の中から主要な制限がある部分をどのようにして判別していき、また、どのようにアプローチしていくかを皆で共有しながら考えていきました。


さらにクラスの中で私が嬉しかったこととして、基本的な原則や考え方のもと、だったらこうしたら?と色々試行錯誤しながら試している人たちが早くもいたということです。体のメカニズムを元にこうしたら良いんじゃないか?と考えるプロセスが始まっていたのがとにかく嬉しかったです。IMACの概要のところでも、「目先のテクニックではなく、基本となる機能解剖学や今後の土台となる知識を学んでもらうためのクラス」だと書いていますが、その伝えたい部分が伝わったかな、と思います。そういう人達が沢山いたら、これから色々とディスカッションもできますし、進化、発展していきますからね。体を通してそれぞれが色々なものを学び、試行錯誤し、それを皆で共有して発展していく。そんな方向を目指していきたいですね。

さて、色々と観察できたこと、考えていることを書いていったので、内容的には難しそうな内容ですが、とにかく三日間、皆でワイワイ盛り上がりながらの楽しい時間でした。お昼も毎日皆で食べにいき、本当にファミリー!という感じで横の繋がりも深まったと思います。今回は関西以外にも北海道、長野、東京、名古屋、大分から参加してくださった方達がいるので、興味があり一度IMACを体験してみたいという方はご連絡ください。各地域からの参加者の方を紹介させていただきます!ちなみに、最後の写真以外は名古屋の佐藤くんが撮ってくれました。ありがとう!



今年は今回の体幹編でIMACのクラスは終了しましたが、来年も行っていきますよ!一年の間でも凄く進化したので、また来年はどうなるのか楽しみです!来年のスケジュールはこちらからどうぞ → http://www.thespaceten.com/imac

また、12月10日の16:00-18:00にデモ会を企画しているので、興味のある方はご連絡ください。 athiro@mac.com

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