新年明けましておめでとうございます!
2020年も色々な予定があり、とても楽しみです。2月には大阪、3月には山形と東京でIntegrative Movement Assessment & Conditioning (IMAC)のセミナーも開催予定です。各地で沢山の方々とお会いして、体の不思議、面白さを共有し、健康になるお手伝いができればと願っています。今年も宜しくお願い致します!
前回「磁石と体」の関係についてブログを投稿しました。今回は、その発見をもとに探求していき見つかった内容の中から、比較的自分たちでも実験しやすいもの、そして臨床的にも使い勝手が良さそうなものを紹介したいと思います。IMACに興味を持ってもらっている方には、どんなことをセミナーで共有するかもわかってもらえると思います。
奇経八脈
可動域から経絡の状態も評価できそうだと以前ブログでも書いていますが、経絡の中には正経と呼ばれる一般的に知られる十二経脈の他に、奇経八脈と呼ばれるものがあります。督脈、任脈、衝脈、帯脈、陽維脈、陰維脈、陽蹻脈、陰蹻脈です。
鍼灸師の方々に聞くところ、あまり学校でも詳しくやらないようですね。日本語の書物では、奇経八脈考という本が一番有名なことを教えてもらいました。英語では色々出ていますが、全体像を掴むにはこの本がオススメです。英語圏だと、奇経八脈と発現のプロセスを絡めて考えるものも多いようで、より経絡が発生のプロセスに関わっているのではないかと考えさせられます。
正経は各経脈上に原穴があり、そこに磁石を置くことで可動域に変化がでます。正経の原穴のような効果が奇経八脈の場合は宗穴にあると知られています。では、同じように各奇経の宗穴上に磁石を置いていったら奇経に対応する可動域も分かるのではないかと考えました。そこで臨床の中で正経にピッタリはまらない感じの隙間の可動域を中心に調べていった結果、奇経八脈全てに対応する筋群、可動域も分かってきたのです。今回は、その中の一つを紹介します。
陽維脈と外関
奇経八脈の中に陽維脈と呼ばれる脈があります。この陽維脈の宗穴が「外関」と呼ばれる経穴で、手首の少し肘側の三焦経上にあります。可動域とこの宗穴との関係を観察していくと、肩の外転・水平外転(万歳の動き)と、股関節の外転と内旋がこの宗穴によって変化することが分かってきました。
中殿筋
股関節の外転と内旋に一番関わる筋肉は何かと考えていくと、上図の中殿筋、特にIR(内旋)と書いている、前部線維が一番関わりが深いと考えられます。
実際に筋テストをしてみると、外関に刺激をいれることで、この中殿筋の作用に影響が及ぼされるようなんです!「磁石と体」で紹介したように、外関にS極の指か磁石を置くと可動域が向上し、筋出力も上がります。逆に外関にN極の指か磁石を置くと可動域に制限が出て、筋出力も下がります。勉強会の時の動画を編集したものがあるので、様子を見てみて下さい。
皆さんも、実際に試してみて下さい!動画でみているより、実際にやって感じた時の方が衝撃が大きいと思います。
トレンデレンブルグ徴候の原因とも考えられる中殿筋の作用が、「外関」という手首の側にある経穴で変化するんです!こういう発見があったので、以前のブログで書いたように神経系やメカニカルな繋がりだけでは説明できないと考えています。
以前からデジタルウォッチの影響で、股関節内旋制限が出る人が多いことには気づいていましたが、丁度時計が当たる部位が「外関」の周囲なので、それによって制限が出ている人が多いんだと思われます。体に色々なものが影響を与えているというブログはこちら。
ファンクショナルトレーニングを行う人だったら、中殿筋の大切さを知っていると思います。骨盤を水平に保ち、膝が内に入らないためにも、中殿筋が働いている必要があります。中殿筋が抑制された状態でスクワットやランジをすることで、中殿筋以外の同様の作用をもつ筋群(外側広筋や大腿筋膜張筋など)が過剰に緊張し、それによって他の部分に代償がでる結果を招いてしまうかも知れないですね。
IMACでやろうとしていること
IMACでは、闇雲に触ったり、エクササイズしたり、治療するのではなく、体の状態を可動域を通して把握して、より的確、効率的にアプローチしていきましょうよ!そして、西洋医学、東洋医学や、世の中にある様々な様式のアプローチで、今まで信じられていることも、実際に本当なのか検証していきましょうよ!というスタンスです。
このような感じで、IMACのセミナーでは各奇経八脈と十二経脈に関わるそれぞれ特有の可動域も含め、体の関係を学んでいきます!面白そう!興味ある!という方はぜひご参加下さい。お申し込みは、こちらから可能です。
皆さんと色々なことを共有し、体の面白さ、楽しさを感じてもらい、健康になってもらうお手伝いをさせてもらうことを心待ちにしております!!
Comments